当記事では、カスハラ対策の義務化直後の現状について、企業の取り組み状況・被害を受けた企業の割合・業界や規模による差・企業の声・パチンコホールにとっての読みどころをわかりやすく紹介します。
2026年10月1日から、すべての事業主にカスハラの防止措置が義務づけられました。義務化の中身は、以前の記事カスハラ対策が10月1日から全事業主に義務化|パチンコホールがすべきことで紹介しています。今回は、その直前に行われた調査から現状を見ていきます。
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カスハラ対策の義務化直前、企業の約3割が未着手
帝国データバンクが2026年10月26日に公表した調査によると、カスハラ対策に「特に取り組んでいない」企業は29.7%でした。調査は義務化直前の9月14日〜30日に行われ、全国1万235社が回答しています。
カスハラ対策に取り組む企業は68.9%
| 取り組み状況 | 割合 |
|---|---|
| 取り組みあり(実施・予定を含む) | 68.9% |
| 特に取り組んでいない | 29.7% |
出典:帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」
約7割の企業は何らかの対策を始めているか、始める予定です。いっぽうで、3割近くは手をつけていない状態で義務化の日を迎えたわけです。
カスハラ対策の具体策は方針の周知が最多・再発防止策は8.1%
| 具体的な対策 | 割合 |
|---|---|
| 従業員への企業方針・対応ルールの周知 | 37.8% |
| カスハラを容認しない企業方針の策定 | 28.6% |
| 相談・通報窓口の設置 | 27.2% |
| 相談者の秘密保持・不利益防止 | 18.0% |
| 事実関係の確認体制・手順の整備 | 18.0% |
| 再発防止策の実施 | 8.1% |
| 顧客・取引先への方針の周知 | 6.8% |
| カスハラ対応部署・担当者の設置 | 6.5% |
出典:帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」
方針づくりや相談窓口は進んでいる一方、被害が起きたあとの対応はまだこれからという結果です。再発防止策は義務化の項目のひとつですが、直近1年に被害を受けた企業に限っても18.3%にとどまりました。

方針は作ったけど、起きたあとの備えはこれから。そんな会社が多いんだな。
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カスハラ対策の調査で被害を受けた企業は15.3%・小売業は31.1%
直近1年にカスハラや不当な要求を受けた企業は15.3%でした。前回の2024年6月の調査(15.7%)から0.4ポイント下がっています。
カスハラの被害は一般の消費者と接する業界で多い
| 業界 | 被害が「ある」企業の割合 |
|---|---|
| 小売 | 31.1% |
| 金融 | 26.8% |
| 不動産 | 21.4% |
| サービス | 20.3% |
| 卸売 | 12.6% |
| 製造 | 7.6% |
出典:帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」
いちばん多いのは小売で、3割を超えました。一般の消費者と接する機会が多い業界ほど、被害の割合が高い傾向です。自分の業界がどのあたりか、確認しておきましょう。被害が「ない」と答えた企業は67.2%で、前回より1.8ポイント増えています。
カスハラ対策は大企業と中小企業で差が開いている
| 項目 | 大企業 | 中小企業 |
|---|---|---|
| 被害が「ある」 | 23.9% | 13.8% |
| 対策の取り組みあり | 82.6% | 66.5% |
| 相談・通報窓口の設置 | 51.7% | 23.0% |
出典:帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」
対策の取り組みは、大企業と中小企業で16.1ポイントの差がありました。相談窓口の設置では、大企業の半分ほどが中小企業という結果です。人手や費用の面で、すぐには整えにくい事情もうかがえるところです。



小売で3割超か。お客さんと直接向き合う仕事は大変だな。
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カスハラ対策の義務化とパチンコホールの関係
2026年10月1日に施行された改正労働施策総合推進法では、業種や規模にかかわらず、すべての事業主にカスハラの防止措置が求められています。パチンコホールも対象です。
カスハラ対策の義務化で求められる措置
| 求められる措置 | 内容 |
|---|---|
| 方針の明確化と周知 | カスハラから従業員を守る方針を決め、伝える |
| 相談体制の整備 | 相談窓口を決め、対応できる体制をつくる |
| 発生時の対応 | 事実を確認し、被害を受けた従業員に配慮する |
| 再発防止 | 同じことが起きないように手を打つ |
それぞれの措置の中身は、カスハラ対策が10月1日から全事業主に義務化|パチンコホールがすべきことで厚生労働省の資料とあわせてくわしく紹介しています。
カスハラの調査はホール企業にとっても参考になる結果
今回の調査は、パチンコホールに限ったものではありません。それでも、お客さんと直接向き合うホールにとって、ほかの業界の状況を知るよい材料ですね。
パチンコ業界誌のアミューズメントジャパンも、この調査を取り上げています。特に再発防止策が8.1%にとどまった点を、被害が起きたあとの対応まで体制を見直す材料として紹介していました。
参考:アミューズメントジャパン「カスハラ対策、企業の約3割が未着手|10月から防止措置が義務化」(2026年10月27日)
遊技する側が気をつけたいことは、以前の記事の後半にまとめています。ホールでの出入り禁止が話題になった例としては、玉屋∞本店の出禁の記事もあわせて読んでみてください。



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カスハラ対策について企業から寄せられた声
調査では、企業から寄せられたさまざまな声も紹介されています。被害の中身と、対策の効果の両方が見えてきます。
| 声の種類 | 内容 |
|---|---|
| 被害の中身 | 暴言、長時間の電話での拘束、しつこい返金の要求、窓口担当者への脅迫など |
| 我慢の声 | 顧客を優先するために我慢せざるを得ない |
| 対策の効果 | 社内にカメラを付けて被害が減った |
| 対策の効果 | 対面からオンライン会議に変えて起きにくくなった |
| 義務化をきっかけに | マニュアルを作り、自社の社員が他社に向ける言動にも気を配るようになった |
出典:帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」
対策の効果を感じている声もある一方、どこからがカスハラなのか線引きに迷う声もありました。義務化をきっかけに、自分たちの言動も見直す企業が出てきたのは前向きな変化ですね。
業界ごとの企業の位置づけをざっくりつかむなら、日経業界地図 2027年版のような業界地図が便利です。小売やサービスの会社の規模感も確認しておきましょう。



カメラを付けたら減った、って声はリアルだな。見えるだけで違うんだろう。
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【まとめ】カスハラ対策の義務化直後の現状のポイント
- 2026年10月1日から、すべての事業主にカスハラの防止措置が義務化された
- 義務化直前の調査で、対策に「特に取り組んでいない」企業は29.7%
- 具体策では方針の周知が37.8%で最多、再発防止策の実施は8.1%にとどまった
- 直近1年にカスハラを受けた企業は15.3%。業界別では小売が31.1%で最も高い
- 対策の取り組みは大企業82.6%、中小企業66.5%と差がある
- パチンコホールも対象。求められる措置は以前の記事でくわしく紹介している
義務化はスタートしたばかりです。各社の取り組みがどう進むか、続報が出たらまた紹介します。義務化の中身から確認したい人は、カスハラ対策が10月1日から全事業主に義務化|パチンコホールがすべきこともあわせてどうぞ。
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