当記事では、健全化機構による広告宣伝ガイドラインの是正要望書について、29店舗への送付の概要・遵守確認の仕組み・ガイドライン改訂の流れ・NGになる主な表示・ホールが気をつける点をわかりやすく紹介します。
読者として想定しているのは、ホールの店員・店長・運営者の方です。公表資料と警察の通達で確かめた内容をまとめました。
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健全化機構が広告宣伝ガイドライン違反の29店舗に是正要望書を送付
一般社団法人遊技産業健全化推進機構は、2026年10月19日に2026年度上半期の活動結果を公表しました。対象期間は4月1日から9月30日までです。
この中で、4月に始まった「ガイドライン遵守確認」の結果も示されました。是正勧告に相当する違反が見つかった29店舗に、是正要望書を送ったという内容です。店舗名は公表されていません。
2026年度上半期の主な数字
| 項目 | 2026年度上半期 |
|---|---|
| ガイドライン遵守確認 | 611店舗で実施 |
| 是正要望書の送付 | 29店舗(4月1日〜8月23日の実施分) |
| 確約書の送付 | 31店舗(全店舗から返送あり) |
| 立入検査 | 45都府県方面の607店舗(遊技機490店舗・計数機117店舗) |
| 検査した遊技機 | 3,888台(ぱちんこ2,017台・回胴式1,871台) |
| 依存防止対策調査 | 607店舗(前年同期は588店舗) |
立入検査の店舗数は、前年同期の584店舗から増えました。検査した遊技機の台数も、前年同期の2,766台から約1.4倍です。数字を見るだけでも、確認の目が広がっているのが分かりますね。
是正要望書と確約書は入り口が違う
今回の公表では、2種類の書面が出てきます。名前が似ているので、違いを確認しておきましょう。
| 書面 | きっかけ | その後 |
|---|---|---|
| 是正要望書 | 機構の遵守確認で違反を確認 | 送付から1年以内にもう一度遵守確認 |
| 確約書 | 情報提供システムへの投稿を受け、広告宣伝検討会から情報提供 | 記名から1年以内に違反があれば、経営者への意見聴取 |
確約書は「誓約した条項を守ります」と約束してもらう書面です。どちらも、1年間は見られ続けると考えておきたいところです。

29店舗って数字、思ったより多いな…。しかも1年後にまた確認が来るのか!
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是正要望書の前提になる広告宣伝ガイドラインの遵守確認とは
健全化機構は、もともと遊技機の不正改造をなくす目的で生まれた団体です。立入検査や依存防止対策調査を行ってきました。そこに2026年4月1日から、ガイドラインの遵守確認が加わりました。
対象は、機構に誓約書を出している営業所です。書面のやりとりだけでなく、実地の検査の枠組みに組み込まれている点が特徴です。
実施が決まるまでの経緯
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年6月12日 | パチンコ・パチスロ産業21世紀会が、誓約書違反への対応とガイドライン遵守状況の確認を機構に要望 |
| 2025年11月10日 | 機構の理事会で遵守確認の実施を決議。臨時社員総会で定款の一部改定を承認 |
| 2026年2月27日 | 改定後の誓約書への同意手続きを締め切り |
| 2026年3月2日 | 機構が4月からの遵守確認の開始を発表 |
| 2026年4月1日 | 遵守確認を開始 |
2025年11月の理事会では、もう1つの方針も示されました。広告宣伝ガイドラインで複数回の是正勧告を受けたホールについて、機構の理事・監事が企業の代表者と面談するというものです。
機構とホール団体がつながった
ホール関係4団体は、2026年5月1日に広告宣伝ガイドラインの第3.1版を出しました。新しい禁止事項を足すより、運用を固める改訂です。
- 機構の遵守確認の結果を受けて、ホール団体が事実確認と是正勧告を行う
- 是正勧告の情報は機構と共有する
- 最後の是正勧告から1年間違反がなければ、過去の勧告は数えない
機構が見つけ、団体が是正を求め、その記録が共有される流れです。1回の違反が、その後の扱いにも響く仕組みになったわけです。



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広告宣伝ガイドラインが改訂されてきた流れ
広告宣伝ガイドラインは、ホール関係4団体が作る自主ルールです。4団体は全日遊連・日遊協・MIRAI・余暇進です。ここ数年で、改訂が続いています。
| 版 | 時期 | 主な中身 |
|---|---|---|
| 第1版 | 2023年2月 | 広告宣伝の具体的な事例を示した最初の版 |
| 第2版 | 2024年2月29日 | 「賞品と総付景品」「第三者に依頼して実施する広告宣伝」の2類型を追加 |
| 第3版 | 2025年5月29日(7月1日から本適用) | メーカー独自イベント・おすすめ表示の期間・公約系イベント・新規出店や改装時の用語を追加 |
| 第3.1版 | 2026年5月1日 | 遵守確認との連携・是正勧告の1年リセットなど運用面を明記 |
是正勧告の事例集も出ている
4団体は、実際に是正勧告をした例をまとめた事例集も出しています。2025年3月14日の第4集には、19の事例が載りました。
| 類型 | 事例数 |
|---|---|
| 高設定等の示唆 | 8件 |
| 記念日 | 4件 |
| 日替わりおすすめ | 3件 |
| その他 | 4件 |
いちばん多いのは、高設定をにおわせる表示です。現場でつい書いてしまいやすいのも、ここだと感じるところです。自店の告知を見直すなら、まずここから確認しておきましょう。



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広告宣伝ガイドラインと法令でNGになる主な表示
ホールの広告には、法令による規制と、業界の自主ルールの2つの層があります。法令に触れれば警察の指導や処分の対象です。自主ルールに触れれば、団体の是正勧告の対象です。
風営法第16条と警察の6つの類型
風営法第16条は、営業所周辺の清浄な風俗環境を害するおそれのある方法での広告・宣伝を禁じています。北海道警察の通達(2023年2月22日)は、違反にあたる表示を6つの類型で示しています。
| 類型 | 通達に載っている例 |
|---|---|
| 入賞を容易にした台の設置をうかがわせる表示 | 「甘釘」「天国調整」「出玉勝負」など |
| 設定状況をうかがわせる表示 | 高設定の大量投入をにおわせる表示、高設定の確率や示唆演出を強調する表示など |
| 賞品買取への関与をうかがわせる表示 | 「等価交換」「高価交換」など |
| 著しく多くの出玉が容易だとうかがわせる表示 | 「大放出○万枚」など |
| 遊技料金等の規制違反をうかがわせる表示 | 「大特価商品」「無料引換券」など |
| 客の技量の差をなくしているとうかがわせる表示 | ハンドル固定を助長する表示、目押しサービスをうかがわせる表示など |
同じ通達は、業界の自主的な取り組みを促す姿勢も示しています。ただし、違反を繰り返す場合などは、風営法第25条の指示処分も検討するとしています。音声による広告も規制の対象です。
第3版で加わった主なルール
業界紙の報道から、第3版で示された主なルールを並べました。正確な条文は、所属する組合を通じて原文で確かめてください。
| 項目 | ルールの要点 |
|---|---|
| おすすめ機種 | 日替わりは不可。表示は1週間以上続ける |
| 新台・準新台 | 新台は導入後30日まで、準新台は60日まで |
| 記念日 | メーカー独自の「●●の日」は告知不可。4団体が確認したものは別扱い |
| 誕生日 | 誕生日やキャラクターの誕生日の表示は不可 |
| 店長就任 | 就任の告知は不可。挨拶のみは可 |
| 公約系イベント | 禁止 |
| 時差開店 | 一部の機種やシリーズの明記は不可 |
| 機種関連の賞品 | 入荷の告知は月曜起算で週1回まで |
| 第三者の取材 | 来店を伴わない電話・メール等の取材は事前告知が必要 |
告知してよい記念日でも、特定機種の設定や性能をにおわせれば違反とみなされます。「書いてよい日か」と「書き方が適切か」は別に確かめる必要があるわけです。



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広告宣伝ガイドラインの是正要望書を受けないためにホールが気をつけたいこと
ここからは、公表された仕組みをふまえて、現場で取り組みやすい点をまとめます。店長だけでなく、POPやSNSを担当するスタッフにも共有したい内容です。
告知を出す前に2人で確認する
告知を担当者1人で作ってそのまま出すと、見落としが起きやすくなります。店内POP・チラシ・SNS・LINEのどれも、出す前にもう1人が見る流れを用意しましょう。
確認するときは、文字だけでなく色や大きさも見ます。強調された数字だけを拾うと設定をにおわせる表示も、通達では違反の例に入っています。
第三者の告知も自店の広告として扱う
第2版から、第三者に依頼して実施する広告宣伝も類型に入りました。取材や来店イベントの告知も、ホールの広告宣伝の一部として見られます。依頼先の告知内容まで、自店で一度確かめておくと安心です。依頼先任せにしないことが、いちばんの予防策だと個人的には考えています。
指摘を受けたあとの1年が大事
是正要望書を受けた店舗は、1年以内にもう一度確認を受けます。是正勧告を重ねると、代表者との面談の対象にもなります。逆に、1年間違反がなければ過去の勧告は数えられません。
指摘を受けたら、同じ型の告知がほかの媒体に残っていないかも洗い出しましょう。店内POPを直しても、SNSの過去投稿に同じ表現が残っている場合もあります。
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直すならSNSの過去投稿までまとめて!そこが一番見落としやすいぞ。
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【まとめ】健全化機構の是正要望書と広告宣伝ガイドライン
- 健全化機構は2026年10月19日、29店舗に是正要望書を送ったと公表した
- 遵守確認は2026年4月に始まり、上半期は611店舗で実施された
- 要望書を受けた店舗は、1年以内にもう一度確認を受ける
- 第3.1版で、機構の確認結果と団体の是正勧告がつながった
- 事例集では、高設定をにおわせる表示の是正がいちばん多い
- おすすめの日替わりやメーカー独自の記念日の告知はNG
広告のルールは細かく、版ごとに変わります。条文そのものを手元で確かめたいときは、風営法―法律・施行令・施行規則(重要法令シリーズ)があると便利です。まずは今週出す告知を1つ選び、表と照らし合わせて確認しておきましょう。
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